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News医院コラム

お子さまにこんなクセはありませんか?お口ぽかんと歯並び・口腔機能の関係


こんにちは!ウィズ歯科クリニック歯科医師の根本です。

お子さまがテレビを見ているとき、いつも口が開いていませんか。「お口ぽかん」は単なる癖に見えても、舌の位置や呼吸、飲み込み方、発音などと関係し、歯並びや顎の成長に影響することがあります。早く気づき、原因に合った対応を始めることが大切です。今回歯科医師の立場から、確認したいサインと改善方法を解説します。

お口ぽかんとは?まず確認したい原因とサイン


「お口ぽかん」とは、安静にしているときに唇が閉じず、口が開いた状態が続くことです。遊んでいるときや眠っているときだけでなく、テレビを見ているとき、勉強中、移動中などにも口が開いている場合は、日常的な癖になっている可能性があります。

◎唇を閉じにくい状態はなぜ起こる?

原因は一つとは限りません。鼻づまりやアレルギー性鼻炎などで鼻呼吸がしにくいと、空気を取り込むために口呼吸になりやすくなります。また、唇や舌、頬の筋肉を十分に使えていない場合や、前歯が出ていて唇を閉じにくい場合にも、お口ぽかんがみられます。

お子さまが口を開けているからといって、すぐに本人の意識不足と考えるのは適切ではありません。鼻の通り、歯並び、噛み合わせ、扁桃の大きさ、姿勢など、複数の要因を確認する必要があります。

◎舌の位置も重要なチェックポイント

口を閉じて力を抜いたとき、舌の先は上の前歯の少し後ろに触れ、舌全体が上顎に軽く沿うのが基本です。ところが、お口ぽかんのお子さまでは、舌の位置が低く、口の底に落ちていることがあります。

舌は、食べ物を運ぶだけでなく、上顎の内側から適度な力を加える役割も担っています。舌が低い位置にある状態が続くと、上顎が横に広がりにくくなり、歯が並ぶためのスペースが不足することがあります。その結果、前歯の重なり(叢生)や出っ歯(上顎前突)、噛み合わせのずれにつながる可能性があります。

◎家庭で気づきやすいサイン

口が開いていること以外にも、唇が乾きやすい、朝起きると口の中が乾いている、いびきをかく、食事中にくちゃくちゃ音がする、姿勢が崩れやすいといった様子が手がかりになります。前歯に着色や歯垢がつきやすい場合は、口の乾燥によって自浄作用が低下し、むし歯や歯茎の炎症のリスクが高まることもあります。

さらに、口が開いたままだと下顎が下がり、頭が前へ出る姿勢になりやすい傾向があります。姿勢が崩れると唇を閉じにくくなり、口呼吸が続くという悪循環も生じます。写真を撮ったときだけでなく、普段の横顔や座っている姿勢も観察すると、変化に気づきやすくなります。

なお、季節に鼻づまりが強くなる場合や、睡眠中だけ口が開くことがあります。いつ、どの場面で目立つかを確認しておきましょう。

お口ぽかんが歯並びや口腔機能に与える影響


お口ぽかんは、見た目だけの問題ではありません。呼吸、食べる、飲み込む、話すといった口腔機能は互いに関係しており、一つの働きが乱れると、ほかの動きにも影響が及ぶことがあります。

◎鼻呼吸と飲み込みの関係

鼻呼吸では、鼻の中で空気を温め、湿らせ、異物をある程度取り除いてから体内へ取り込みます。一方、口呼吸が続くと口の中が乾きやすくなり、唇を閉じた状態を保ちにくくなります。

通常の飲み込みでは、唇を閉じ、舌を上顎につけて食べ物や唾液を奥へ送ります。しかし、舌の位置が低いお子さまでは、飲み込むたびに舌を前へ押し出したり、唇や頬に余計な力を入れたりすることがあります。このような飲み込み方が繰り返されると、前歯が押され、前歯が噛み合わない開咬や出っ歯につながる場合があります。

◎発音や食べこぼしにも表れる

舌や唇をうまく使えないと、「サ行」「タ行」「ナ行」「ラ行」などが不明瞭になることがあります。年齢によっては発音が未成熟な時期もありますが、成長しても聞き取りにくさが続く場合は、舌の動かし方や舌の位置を確認することが大切です。

また、食事中に食べこぼしが多い、口から食べ物が出る、飲み込むまでに時間がかかるといった様子も、口腔機能が十分に育っていないサインです。唇で食べ物を取り込み、舌でまとめ、奥歯で噛み、喉へ送る一連の動きがうまく連携していない可能性があります。

◎よく噛めない状態と顎の成長

やわらかい物ばかりを好む、すぐに飲み込む、片側だけで噛むといった食べ方が続くと、噛む回数が少なくなります。よく噛めない状態には、歯並びや噛み合わせの問題だけでなく、舌や頬の動き、食べ物の硬さや大きさが合っていないことも関係します。

顎の成長は遺伝だけで決まるものではなく、呼吸や咀嚼、舌の動きなど日常の機能からも影響を受けます。ただし、硬い物を無理に食べさせればよいわけではありません。お子さまの発達段階に合った食材を選び、前歯でかじり、左右の奥歯でバランスよく噛む経験を重ねることが大切です。

食事時間が極端に長い、反対にほとんど噛まず短時間で食べ終える、水やお茶で流し込むことが多い場合も注意が必要です。食べ方には個人差がありますが、毎日の食事は口の動きを育てる機会です。できる範囲で家族と同じ食卓を囲み、急かさず見守りましょう。

食事中に顎が左右へ大きく動く、舌で食べ物を押し出すといった癖も、確認しておきたいポイントです。

お口ぽかんを改善するためにできること


お口ぽかんへの対応では、まず原因を見極めることが重要です。単に「口を閉じて」と繰り返すだけでは改善しにくく、かえってお子さまの負担になることがあります。歯科医院では、歯並びだけでなく、鼻呼吸ができているか、舌の位置、唇の力、飲み込み方、発音、食べ方などを総合的に確認します。

◎小児矯正が必要になるケース

顎が狭く歯が並ぶスペースが不足している、出っ歯や受け口(反対咬合)がみられる、前歯が噛み合っていないなど、骨格や歯並びの問題がある場合は、小児矯正を検討することがあります。成長期の治療では、顎の成長を利用しながら、上下の顎のバランスや永久歯が生える環境を整えることを目指します。

ただし、お口ぽかんがあるから必ず矯正装置が必要とは限りません。また、装置で歯並びを整えても、口呼吸や舌を前に出す癖が残ると、治療後に歯が元の方向へ動く原因になることがあります。そのため、歯並びと口腔機能の両面から考えることが大切です。

◎MFT(口腔筋機能療法)について

MFT(口腔筋機能療法)は、舌、唇、頬などの筋肉を正しく使うためのトレーニングです。舌を適切な位置に置く練習、唇を閉じる練習、正しい飲み込み方の練習などを、お子さまの状態に合わせて行います。

MFTは一度行えば終わるものではなく、家庭で継続することが重要です。短時間でも毎日取り組み、歯科医院で定期的に動きを確認すると、正しい使い方を生活の中に定着させやすくなります。なお、鼻づまりが強い場合には、耳鼻咽喉科での診察が先に必要になることがあります。

◎受診の目安と家庭での関わり方

いつも口が開いている、いびきや口呼吸がある、食べこぼしが多い、発音が気になる、よく噛めない、飲み込むときに舌が前へ出るといった様子が続く場合は、早めに歯科医院へご相談ください。乳歯の時期でも、口腔機能の発達を確認することはできます。

家庭では、口を閉じるよう強く注意するより、食事の姿勢を整えることや足が床や足台につくようにする、食材を大きすぎない一口量にするなど、取り組みやすい環境を作りましょう。保護者の方だけで判断せず、歯科医師や歯科衛生士と一緒に、お子さまに合った方法を探すことが改善への近道です。

受診時には、普段の食事や睡眠の様子を伝えていただくと診断の助けになります。口を開けて眠る様子やいびき、飲み込み方などは、短い動画に記録しておくと診療室では確認しにくい癖を把握しやすくなります。定期的に成長を追うことで、治療を始める適切な時期も判断しやすくなります。

成長に個人差があるため、同年代のお子さまと比べて焦る必要はありません。状態を知ることから始めましょう。

まとめ

お口ぽかんは、舌の位置や鼻呼吸、飲み込み、発音、食べ方など、さまざまな口腔機能と関係しています。放置すると歯並びや噛み合わせ、顎の成長に影響することがあるため、気になる様子があれば早めの確認が大切です。ウィズ歯科クリニックでは小児矯正やMFTを含め、お子さまの成長に合わせた対応をご提案します。気軽にご相談ください。

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